ハイ、チャイナ!

朝9時ぴったりに起床。わ、体が軽い。
はにかむ姿がかわいい宿の女性に、ここが気に入ったのでもう1泊することを筆談で伝え、銀行はどこか聞く。自分がどこにいるかすらわからなかったので、自分で地図を作りながら手探りで北京を体で知っていく。銀行が予想外に遠かったので、一回戻ると彼女に伝えたものの面倒くさくなって、そのまま今日の目的地の走進798藝術地区に向かうことにする。
地下鉄に乗り、なるべく近くの駅で降り、そこからタクシー。しかし5,6人の運ちゃんに聞いても、知らない、と言う。次のあんちゃんは住所見て2分ぐらい考え乗れ、と言う。ほんとに知ってるのかよ、と聞くと知ってると頷く。
彼を信じて助手席に乗ると、いきなり高速に乗り出し焦る。こいつ、どこ連れてく気だ。
30分くらい走らせ、高速を降りると、あんちゃん突然サングラスを外し、車速を10kmに抑え本気で捜索モードに。798と書かれた看板を見つけ、お互い本気で手をたたいて喜ぶ。やっぱどこあるか知らなかったんじゃん。
798藝術区はほんとすごい。めちゃくちゃ広大な敷地に、個人のアトリエや個展が続く。日本ではこの規模での新鋭若手アートの展開は絶対にありえない。いちいちツボをつかれてしまい、2時間くらいで出るつもりだったのが、結局5,6時間かけて回ってしまう。それでも2、3割も回れなかったけど。
正直、街とか見てて、日本で言われてるように、経済発展してる国のそれとは全く思えなかった。けどこっち、アート、すごいぞ。日本みくびってられないぞ。
帰りは他の国と違って電光掲示板もあるし、異様に乗りやすいバス。これは旅人のいい交通機関になるなあ。
バスで隣のおっちゃんが持ってた、地図を見させてもらう。その地図の左下に、「世界公園」という単語を発見。これってジャ・ジャンクーの『世界』のあれですよね!?と興奮しておっちゃんに聞くと、知らないという。やっぱまだそうだよね。とにかく世界公園にめちゃくちゃ行きたくなる。ということでバスの中でおっちゃんと乾杯。
むちゃうまいおかゆ食って、宿に着いたときには夜9時を過ぎている。宿の前で、悪いことしたな、と反省し、今日の分の宿代を用意して門をくぐる。
すると、突然大きな拍手と歓声。宿のスタッフ7人くらいが総出で僕の無事の帰還を祝ってくれる。あははは、何だこれ幸せすぎ。中国、ほんと素敵な国だ!