人生の縮図

ヨシは突然、今日チェンマイに行くことを決めたと言う。関西人のあんちゃんも、仕事でタイに来てる日本人女性の高級ホテルへ転がり込むらしい。


こうしてみんなここを通り過ぎていく。
日本人宿とは、そういう場所だ。出会いを、別れを繰り返すのだ。
観光というものは僕にとって、だからどうでもいいものになってしまう。
本を読めば、映画を見れば、本来生きることの出来ない世界を、他の人の人生をおくることができるのと同じだ。何も変わらない。
人生は大きく言えば、出会いと別れだ。僕はここにいるだけで、その過程をハイスピードで享受できる。旅は人生の縮図だ。たった2ヶ月かそこらで、何年分もの出会いを得ることが出来るから、だから僕はまたバックパックを背負うのだ。


そして別れはまた、新たな出会いを作り出す。
こうじさんとタカトさんというふたりの旅のベテラン、というより夜のベテランの人たちがドミにやってきた。どうやら今夜も、というよりこうじさんに限っては毎晩、らしいが、夜の街に繰り出すらしい。

「なぜ女性がついてこないのかわからない」、という彼の強気の発言。心強いが、若干うざい笑
もう52才だそうで、たいそうな人生の(駄目な)先輩なのだが。

そしてパッポンへ繰り出すと言うので、タカトさんに続き、2番弟子として、ご一緒させていただくことに。いままでゴーゴー技は完全なる独学だったのだがタクシー内で基礎編のレッスンを受け、いざパッポンへ。
店を何件か覗き、席に着く。実践編の講座を受けようと思ったら、もうこうじさんは自称ナンバーワンの子をなんちゃらしていて、講師をする気は無いようだ。僕も隣に座らせ、適当に話す。ていると、そのテクニック、やるじゃないか、大地君、と師匠からもはや免許皆伝をいただく。アホか。タカトさんからはゴーゴー上級者の異名も。アホすぎる。

そのあとタカトさんはパッポンでギターを弾いている友人のバーに行くと言うので、こうじさんに連れられてタニヤ通りへ。うらぶれた日本人向けのナイトスポットらしい。何件か覗くと凄い光景が。
でも疲れる。
おじさまの欲についていけません。とアイス食って帰路に着いた。

もうナイトライフはしばらくいいです。