ここから伝説は始まる

<映画>
a)4(三宅唱
b)マイムレッスン(三宅唱
c)スパイの舌予告→本編(三宅唱
d)人間の街(嶺準樹)
e)春の獣(仮)(島田恒
f)風招き(嶺準樹)
g)トワイライトハイク(久保田誠)
h)不法投棄の夜(久保田誠)


いやあ山田宏一の気分だわー。伝説の瞬間を目撃して参りました。夕方から気持ち悪い男どもがぞろぞろと早稲田の学館に集結。映創会(一橋大学ほか)vsシネマックスサイドヴァーグ(早稲田)vsテニサー(とゆー名の上映団体)から各団体3人ずつ。なんでひとりも女の子がいないんだっていう。あの場所に空爆が起きたら、間違いなく20年後の日本映画界は壊滅的状況におちいるだろうな、というある種事件だわ。いやもちろん俺(≧アンリ・ラングロワ)も含め。将来本書きますよ。『友よ、映画よ、わがヌーヴェルヴァーグ誌』越える本。「あそこから全てははじまった」って。なんでスージーとあのかわいい子いないんだっていう。
まず映創会の(?)三宅唱。何度も言うように、もう最強。映画面白すぎ。なんでこんなおもしろいんだよほんと。まずは最高の二人組映画の『4』から始まって、マイムもスパイも何度も見てて全シーン覚えてるんだけど、まるで初めて映像に触れた瞬間とゆーか生の感触(とゆーのか?とにかく生きてるんだよなあ)が全然抜けなくて面白い!ハリウッドいつかいけますよほんと。やっぱ段違いの演出力だなー。
ほんでヴァーグ。まあやっぱりしょうくんのあとはきついのかって。いや、まともな映画すぎるんだよな、きっと。唱くんの映画も後述の久保田さんの映画も自主映画らしくないとゆーか、ケーヤの言葉を借りると、一貫性ってもんが全然欠けてて、だから最高に面白いんだと思う、まさに。『人間の街』はリメイク2回目で、また全く新しいヴァージョンになってたんだけど、リメイクを重ねるごとに「自主映画特有の一貫性」が生まれてきちゃって、それがただでさえ面白い!とは言えない作品(この言い方には語弊があるかもしれないけど、悪い意味ではなくて。いや悪い意味か)が余計に面白くなくなっちゃってるって感じがした。だから俺としては、一番最初の『人間の街』が一番好きであるわけだし。そういった部分が唱くんと久保田さんの映画(=うまくはないんだけど、めちゃくちゃ面白い)って映画たちに挟まれることで余計露呈してしまった気はする。『人間の街』とか俺は凄いと思うんだけどな。どんどん、「うまい」で終わっちゃう映画に近づいてる気はする。今回のオーガナイザーの島田くんの『春の獣』も授業とかで映画制作やってきただけあって、めちゃくちゃうまいんだけど、うまいだけに思えてしまう。せかちゅーとかね。それと嶺の新作の『風招き』はうまくも面白くもなかったんで、なんでこの映画を彼が撮ったのかよくわからないのだが。
それでトリの映創会、久保田さんの映画。彼の名前は唱映画のクレジットで何度も見てたんだけど、ほんとめちゃくちゃ面白かった!この作家もうまくはないんだけど(いやうまいの定義とか何だよって言われたらほんと全く説明できないんだけども。とにかく『不法投棄の夜』とか手抜いてる部分と本気の部分差がありすぎでしょ)でもむちゃくちゃな映画でよかった。『不法投棄の夜』はまさにダンス映画なんだけど(尺の7割はダンスしてたな)やっぱダンスとパーティーだよ映画はほんと。そこだよ嶺の新作と島田くんの映画に足りなくて、唱くんと久保田さんにあったもの。ほんとダンスとパーティーがない映画なんて映画じゃないし、あとかわいい女の子!*1その3つの要素が揃ってはじめて映画なんだから。いやまあ俺のいうことなんて7割くらい流してくれていいんだけど。そんで、とにかく『トワイライトハイク』はやばくて、鬼ごっこみたいに山を下って(ダンス!)、男がふり返ったとこからの10秒間とか無敵だろ、と。
いやあいい映画見たわ。まじで空爆起こらなくて良かった、20年後の映画に望みはあるぜ。みんなが「最近のがるぼるのはてなは『めちゃくちゃ泣いた』とか女子高生の感想文と同じじゃん」とか言うから(うるせーよ)久々に映画についてむちゃくちゃだけどちょっと長く書いてみた。あと人生の一本多すぎとか最高多すぎとか黙れって言う。そのあと爆音に行きたがるFを強制連行して9人で飲み会へ。半分が真面目な話をしてるとき、もう半分のテニサー組と映創会の変態2人でバカ話。まじ最高の空間。実は『唱vsミネ』の裏で『ケーヤvsF』のシネフィル対決も起きてたっていう。「オフュルスの『快楽』が今年のベスト1で、まさにジャン・ルノワールだよ」とか気持ち悪いわ。
めちゃくちゃ楽しかったー!いや、まあ黒沢清とか青山真治が「立教ヌーヴェルヴァーグ」だとしたら、「はてなヌーヴェルヴァーグ」ですよ(あほか)帰りにケーヤとオールすりゃよかったなと悔やみつつ、テニサーで何上映するかとか話し合いながら帰る。

あ、島田くん、ほんと素晴らしい機会をありがとう

*1:言うまでもないが、かわいく撮られている女の子のことである