スパイかわいい

<映画>


a)届くなら、遠吠え(川邊崇広)
b)Fatboy swim(藤井良多)
c)TOUCH(倉光哲司)
d)近代休日(森下貴史)
e)噂の二人(森下貴史)
f)4(三宅唱
g)マイムレッスン(三宅唱
h)スパイの舌(三宅唱


映画美学校、フィクション科10期生(が過去に撮った映画の)上映会へスーツで参戦。まじ空気読めてないみたいな。なんかほとんど告知無かったのが、今考えてみればむちゃくちゃ惜しいと思う。
他の作品は全然ピンと来なかったのだが(『近代休日』の映像は面白かった。『スキャナー・ダークリー』の先取りみたいで。でも眠くて寝ちゃいました。)、三宅唱くん(むず痒い)の『4』『マイムレッスン』は激しく傑作であって、必見の作品だったので広報頑張って欲しかった。以前から凄いと噂は聞いていたのだが、ここまで凄いとは。正直自分が今まで見た全ての学生が作った映画の中で群を抜いて素晴らしく(ほとんど早稲田映画しか見てないけど)、もう悶絶と涙のスパイラルみたいになっていた。これが同じ3年生の作品とは。自分が本気で監督志望してて、この映画を見てしまったら、死ぬほど燃えるか、もしくは初めてランボーの詩を読んだ小林秀雄のように、自分は映画を撮るべきではないと思ってしまうかもしれない。
だが、どうだ。『4』でホテルに帰ってくる男が目撃してしまう、自分の女だったはずの女と突然現れた部外者が見せる緊張感は。『マイムレッスン』のファーストショット、女が歩く、ただそれだけのはずのあのシーンの素晴らしさは。また女の子を大切に撮るという、一番の基本であるはずの今の自主映画制作者が忘れていること(彼の映画以外は酷いものであった)への気の使い方。みんなウディ・アレンを見て勉強すべきだろう。青山真治風に言うと、三宅唱の名前を覚えておくといい。いつか映画史の未来に必ず登場してくる名前であると。
あー何か誉めすぎて気持ち悪い。ばーか。
そのあとまた唯一の部外者にも関わらず飲み会に参加して、ほんと10期生になっときゃ良かったと後悔する。Kヤに最近映画見てなさすぎって叱られる。ごめんなさい。全然見てません。もう就活なんて言い訳しません。
その後家帰って、なんかむかついてしょうがないから、しょうくんから借りた新作『スパイの舌』を見て欠点探しまくって、否定してやろうと目論む。が、さすが万田邦敏絶賛作品(本人談、真相不明)。どこにも隙が無く、5分間という短い時間で本気で映画を楽しんでいて、さらにへこむ。一瞬音が消え、女と男が、近づき、そこで男が振り返るとことかはんぱない。唯一の弱点かに思えた、同じような映画手段でしか撮れないんじゃないかってのも、あっけなく覆される。あ、鏡と反射使いすぎってのが弱点か。照明もうまいしなー、悔しいなあと思いながら結局『スパイの舌』11回見る。このDVD借りたんだか貰ったんだか覚えてないが、とりあえず貰うことにする。