映画

a)UNloved万田邦敏)★★★★

a)タイトルは『愛されざる者』。とにかく素晴らしい。視線劇でありながら、それだけでは収まらない圧倒的な傑作。この映画の中で視線はもちろん重要であろう。女は数少ない瞬間以外、男を一生懸命見つめようとする。視線を彼女から外すのは常に男たちである。それはまさしく女と男たちの関係の表象である。視線を外そうとする男をそれでも見つめようとする彼女が、自ら視線を外す瞬間はたった2カ所。仲村と旅行をして、別れを切り出すシーンと、そしてラスト、松岡に別れを切り出され崩れ落ちるように床へ座ってしまう瞬間である。仲村を羨み、自分がわからなくなり、どんどん仲村と似ていく松岡。そして二人のあいだが決定的に揺らいだかに見えた最後の会話劇。だが、僕らは彼女が座り込んだとき、松岡がもう帰っては来ないだろうとは決して思いはしない。それは視線が物語る。座り込むワンシーン前、彼女から視線を外し「もう駄目なんだよ」と言う男に対して、無理矢理に、男と視線を合わせようと、男の身体の向きを変えさせる。映画中初めての彼女からの積極的な動き。僕らは部屋であちこちを眺める男を待つだけだ。彼が部屋を飛び出し階段の下(階段というのはこの室内劇の中で、数少ない屋外のシーンであり、そして最も重要な場面である)から、上を、彼女を振り返ったとき、彼女はそこにいなかったからである。
そして素晴らしい視線劇であるはずのこの映画で、視線以上に大事なものはただひとつ。これはあらためて説明する必要もなく、台詞である。最高の台詞劇である。



深夜、ようやくやらなきゃいけない職務を全部終わらせ、明日の私用を終わらせれば、やっと夏休み!!また3日後からめちゃくちゃ忙しくなるけど涙 まず二日間満喫しよう!映画見よう!とりあえず『UNloved』を。誰かが、ドワイヨンだと言ってた気がするのだが、恥ずかしいことにドワイヨンほとんど見ておらず、よくわからないでいた。が、偶然今読んでる『映画旅日記 東京−パリ』(梅本洋一)でドワイヨン的の説明が笑 「アパルトマンで、たった2、3の人が繰り広げるはなし」ってことか?なんか違う気がするが、あまりにも知識不足なので、とりあえずドワイヨンを見ます。とかなんとか思ってたら、明日明後日日仏でドワイヨンの『女の復讐』がやる!なんたる偶然。明日は間に合わないので明後日行きたいな。てゆうか明日『狂気の愛』みてー。4時間無字幕フランス語に耐えれるだろうか…トリュフォーもふつうに見たいんだけど。うむむ。あと『映画旅日記』おもしろい。