それは、文学ではありません

さて最近は何度も言うように就活ばっかりしていて映画を(あえて)全く見ない日々を過ごしていた。ほんと『デジャヴ』(さいこー!!)とか2ヶ月で4本くらいしか見なかったというものだから割と自分としてはギネス更新だと思う。その代わりに、と言っては難だがわりかし本は読んでいて、2日に1冊くらいペースで空き時間にスタバとかで読破してたから、こちらも新記録だと思う。3ヶ月で40冊くらいか。
特に自分の中で大きな成長と、というか出版社も受けていたので『文芸誌』デビューというものをしてしまって、『群像』とか『文藝』とか『文學界』とかかなり面白くてやばい。どんどんダメな人間になっていく。昨日色んな人のはてなを徘徊していて、「こーゆう本読むのは彼女ができてからにすべきなんじゃないか」、ということに気付いてしまって今文字で打ってみてまさにその通りだと確信した!俺やばい!とゆう現実はおいといて、今日も地元のでかい本屋に文芸誌を漁りにいって、新刊チェックをした。
『考える人』の特集、『短編小説を読もう』の中で、まあありがちな、作家とか評論家のおすすめの短編3冊みたいなのをやっていて、ぱらぱら読んでいたのだが、保坂和志も3冊を挙げていてその3冊が全て中原昌也の短編でちょっとゾクっときてしまった。『マリ&フィフィの虐殺ソングブック』とかね。そうなんだよ、僕のやりたいことはこれなんだよほんとに!
こーゆうコーナーに頼まれたら普通の人は「自分の好きな3冊」を挙げるだろうし、それが当然なんだけど、それは僕のやりたいことではないなあ、と。だって動かないじゃん、その記事を見た大半の読者はきっと。誰かも言っていたけど、いまの批評は一番の存在意義をわかってないと思う。「面白い」という言葉以上に力を持つ言葉なんてあるわけない、と僕は思うし、こうゆうコーナーで難しい言葉でさも「批評」をすることにど−ゆう意味があるのかなあと思っちゃう。それに対して保坂和志は3冊とも中原昌也挙げて、ただ愚直なまでに「面白い」と誉めてるだけで、その文章は中学生でも書けるようなコメントで、すげーバカなんだけど、それこそが本当に人を動かす力があるものではないのかなあと。事実そのあと、僕は文芸書のコーナーで『マリ&フィフィの虐殺ソングブック』を購入したのだし。
だから僕のやりたいことは保坂和志なのだ!星取をやめたのだって、自己矛盾とゆーかそう思うところがあってだった。だって、たとえば、このブログを読んでくれている人がいて、あの映画見ようかな、と迷ってるときに★1つとか見たら絶対行かなくなるでしょ。★5つがマックスだったから、もしかしたら★3つつけた(つまり私が傑作だと思っている作品でさえ)じゃあ見に行かない、と思う人が出てしまうかもしれない。何度も言うように僕がこのブログでやりたいことは「いい映画を見てもらう助けになりたいな」とゆー配給視点というか、まあ人を動かしたい、ということが目的なので、見ようと思ってたけど…、なんて人が出るなんて最悪なのだ。じゃあ全部に★5つつけようか、というとまた違って信頼性無くなるし、じゃあ存在意義なんてないじゃん、と。そうゆうわけで星取もやめたので、だから保坂和志がやりたい!
もちろんそーゆうバカなことをやってるのは保坂和志が初めてじゃなくて今までにいくらでもいたが、今、高校生の時に『映画監督のお気に入り&ベスト映画』という書籍を読んだのだが、その中で監督が好きな映画ベスト10をあげるとゆー余りにべたなゲームをやっていたことを思いだした。その本ではサミュエル・フラーとかフェリーニとかのベスト映画がわかるので、いつか全部観てやるとか思ってた青春時代を思いだしたのだが、そーゆうとこにもバカなやつはいて、クリス・マルケルマーティン・スコセッシがそれだ。
スコセッシは5本映画を挙げ、こうコメントしていた。「私が5本しか挙げられないのは、それにさらに1本でも付け加えると、たちまち他の無数の映画が堰を切って溢れ出てきてしまうからです。これらの5本の映画は、今後も私の生きる糧となるものです。」なんて書かれていて、そしたらその5本は特別ってことじゃん、まずこの5本が観たい!と僕に強く思わせたし(ちなみにその5本は『8 1/2』『市民ケーン』『山猫』『赤い靴』『捜索者』であった)、クリス・マルケルにいたっては、「申し訳ありませんが私には映画ベスト10というゲームは出来ません」のコメントと共に『めまい』だけが載せられてたりして、なんてバカなんだマルケル、たかがゲームじゃんとか思ってたけど、このコメントと『めまい』のことは未だに忘れられないのだから、やはり最高だ!
なんてゆうかまたグダグダで何が書きたいかわかんなくなってしまったので、つまりそーゆうことなのだ!!これからも頑張ります。と適当に締めて逃げます。

考える人 2007年 05月号 [雑誌]

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映画監督のお気に入り&ベスト映画

映画監督のお気に入り&ベスト映画

しかし僕は「面白い」という言葉が一番重要だと言っていながら、それが「エンターテイメント」と言葉に置き換えられるのがひどく嫌いなのだ。今月号の『ダ・ヴィンチ』を立ち読みしていて、酷くいらだった。とゆーか初めて『ダ・ヴィンチ』を読んだのだが、とゆーのも『太田光の私が総理大臣になったら』特集をやってたからである。その特集の中で、新しいマニフェストとして「芥川賞直木賞を廃止して国民投票で新たな文学賞を選ぶ」とゆーマニフェストにひどくムカついた。太田光の発言とかね。読んでみて下さい。やはり自分の中で「面白い」ことが全てではないのだ、と思う部分も根強いのだろうかね。うーむ。