garuboru2006-07-17

映画

a)勝手に逃げろ/人生(ジャン・リュック・ゴダール)★★★★
b)ピアニスト(ミヒャエル・ハネケ)★
c)いつか、きっと(オリヴィエ・ダアン)★

b)僕はミヒャエル・ハネケが嫌いだ。もともとそうなんじゃないかとは思っていたが今日確信した。ハネケの映画は、そのラスト(また物語中に)破壊だとか暴力によって、話の結論付けやカタルシスから逃げているような気がするのだ。そして、その破壊や暴力を引き起こす登場人物が自己を「わたしは頭が狂っている」「私は変態である」と前提としておいてしまうことにより、我々観客に意見を言わせることを事前に防いでいるのである。つまりハネケは「頭の狂った登場人物が、破壊を引き起こすのだから、それは『当然』起こりうることである」と観客との議論から逃げている。観客は例え、スクリーンで起こっている事態に違和感を覚えても、それは『当然』起こりうる行為なのだから、と頷かされることによって、自分の否定意見の提示さえ許されない。そこがとにかくむかつく。ハネケなんか嫌いだ。もう一生見ない。
ということを、写美で偶然会った、うちの大学で一番シネフィルに近い男だと思われるFくんに相談したら、「ああ、別にハネケなんてどうでもいいですよ。僕も一本しか見たことないですよ。」と返されたので、安心する。彼はそう言いながらゴダールが終わると、「じゃ藤田敏八見に行くんで」と山口百恵特集に行ってしまった。『ピアニスト』も『いつか、きっと』も見る価値ない作品だったので時間無駄したなあ、俺も他のとこ行けば良かったと後悔しましたとさ。ただより高いものはないってことね。そしてきっとFくんがうちの大学で一番面白い映画撮るんだろうな。なんたって一番映画見てるもの。ラストデイズを見た後「僕がやろうとしてたものを全部やられてしまいました。ガス・ヴァン・サントむかつきます。」と言ってたし笑


そんなわけで海の日は東京都写真美術館に行って来ました。ただでゴダール見れたのは良かった。『勝手に逃げろ/人生』ずっともう1回見たかったのでラッキー。ただルビッチ(とヘルツォーク笑)がドイツ映画祭でやっているのに、ここにいるのが非常に悔しかったが、あの値段設定はほんと無理。1回オールナイト行けるやん。学生を対象にしてるとは思えない。憤りですよ。朝日新聞社ファック。