garuboru2006-11-28

<映画>

a)父親たちの星条旗クリント・イーストウッド

ミラノ座で見たんだけど、なんだかこんなでっかい映画館で映画を見るのは5年ぶりくらいな気がして、みんながざわざわ言ってて、予告編が始まったあたりからだんだん静かになってきて、映画が始まると(いや始まる前の低音量で流れる寂しい歌あたりからか)シーンってなる。「衛生兵!」と叫ぶところなんて、周りの観客の息をのむゴクリという音まで聞こえてきて、うわー俺今映画見てるんだなあと強く実感する。ミラノ座は映画を日常に近い非日常くらいの、ちょっとしたお楽しみみたいに演出するのがいちいちウマイと思うし、そのせいでかなり映画を見るのが楽しくなってしまった。一体僕はどこで映画ライフを間違えたのか…それにしてもあのデカさでも、ミラノ座では2番目なんですね。でかい映画館あんな楽しいならもっと通おう!!
それにしても『父親たちの星条旗』は素晴らしかったんだが、個人性の消滅(結局ハーロンだろうがハルクだろうが、誰がどこに写っていようが、もう他人からしたらどうでもいいことで。ギャグノンが口元をクイって上げる表情はイーストウッドの伝えたいことか皮肉か)とか最後の海のシーンとか、音(「衛生兵!」「イギー!」「ドク!」含む)とかもうすごかったんだけど、みんなもう言ってるしいいや。危うく見逃すとこだった。あぶねー。
帰りに歌舞伎町を歩いていると、スーツだからってわけでなくいつも通り、「マッサージいかがですかー」「サラリーマンは私たちの神様です」「おっぱい」とか、そんなんばっか声かけられるんだが、そんななか、どこからかブルーハーツの『終わらない歌』が流れてきて、うわーやべえと思って立ち止まって振り返ってしまった。僕はヘッドフォンを耳に当て、もう12月なんだなあと思う。